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データサイエンスと5Gネットワークが生む未来【電子情報通信学会】-- CEATEC JAPAN 2018 カンファレンス


このブログ投稿の続き: https://nmizos.blogspot.com/2018/10/ceatec-japan-2018.html

データサイエンスと5Gネットワークが生む未来 【電子情報通信学会】

【主催者による概要など】

https://regist.ceatec.com/?act=Conferences&func=Detailed&event_id=7&conference_id=425&mode=iframe



【メモ&コメント】

  • 電気通信情報学会(ieice)のシンポジウムだとは知らずに参加。学会の大会とは違って(←ieiceの大会は行ったことないけど)演出などもコマーシャルイベントっぽく華やかな雰囲気を演出。
  • テーマは「5G&データサイエンス」(「データサイエンス」は間違いなく客引きのおまけ)なので、NTT DoCoMoの5Gの最新状況のプレゼンがメインなんだろうが、私見では理化学研究所の「健康関数プロジェクト」がいちばん興味深かった。別セッションの(こちらもレポートするつもりだが)、KDDI中心の「IoT&生体情報」のセッションともつながって、医療やヘルスケアはみんなが有望だと感じている領域なんだろう。
  • ※「アンケート回答と引き換えに後日公開可能な資料の連絡をします」とのことだったが、11/5現在届いていない。まぁ、イベント後のこのテの表明は、1か月以内に完了したら良い方だろう。

司会 - 諏訪東京理科大学 経営情報学部 教授 布 房夫 氏 →交代=広島市立大 三村氏


開会挨拶及び「産業界と協働する電子情報通信学会の未来」

  電子情報通信学会 会長 国立高等専門学校機構 理事 安藤 真 氏

【メモ&コメント】

  • JEITA会長の「挨拶」なので期待はしてなかったのだが...
  • SDGs・SOCIETY5.0・CPSとか、キャッチーなキーワード並べで始まったので「あぁやっぱり」と思ったけれど...
  • AI技術関連で「日本の勝ち筋はあるのか?」の投げ掛けは少しだけ興味深い。「サイバー空間(≒Internet)でのAIは日本の負けが確定(GAFAが勝ち組)」だけど、実世界が絡むAIは「まだ負けてはいない」。...とは言っても、無理矢理に“負けてない領域”を引っ張り出した,もしくは作った感じがする。
  • 「オープンイノベーションの創出に向けて学(大学)と産(民間)の橋渡し役としての学会の役割はある」(とはいえ、内閣府の産学連携の資料を引用していたがそこに“学会”という組織が忘れられているというオチ付き)。
  • いつも出てくる「人材育成」の問題。「日本は就職してからの企業内教育への依存が大きく、実践的な教育が大学でなされていないし必要とされても来なかった」とよく言われるが、昨今の課題はそれを飛び越していて「大学に入ってからでは遅いのでは?」という意見すらある。つまり素質のある若者を大学に入る前に見つけて育て始めたいということらしい。その見解をだれが言っているのかは不明。

5Gが切り開く未来の展望 ~パートナーの強みを融合させた世界~

  NTTドコモ 5G推進室 室長 中村 武宏 氏

【メモ&コメント】

  • この講演がこのシンポジウムの目玉だろうに「5Gがテーマの講演はもう飽きた」そうだ。
  • いわゆるエバンジェリストの世界は常にそういうものかもしれない。数年に渡って盛り上げる講演やプロパガンダをやって“やっと”火がつき始めるので、(どことは言わないが)ジジイがのさばっている産業界がやっと動き出した頃には、食傷気味になっているのだろうと思う。
  • ただ、その苦労の甲斐があってなんだろうが、DoCoMoの「5Gパートナプログラム」の参加企業は1800社になったとのこと。後追いが大好きなTISも入ったらしいし。

斜に構えたコメントはこれくらいにして、、

  • 5Gの中身の話からは次の点をピックアップしておきたい:
    • 3GPPで標準化: 5Gは「Rel.15から」  
    • ↑ 3GPP規格にアクセスした人にしか何言ってるかわからないね。
    • 300km/hの高速移動でもロールオーバ可能な実証実験
    • 自動車など向けに透明なオンガラスアンテナを開発: DoCoMo+AGC+エリクソン (←でもこれは5Gの話じゃ無いが)

健康~未病~病気の健康関数プロジェクト -個別健康最大化をk目指して-

  国立研究開発法人理化学研究所 健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム健康計測解析チーム チームリーダ 水野 敬 氏

【メモ&コメント】

  • このシンポジウムで一番面白かったのがこの講演。講演の基本は「人の健康管理に役立つデータは何か?」という点で、「5G」とか全然関係ない。
  • 「計測、収集、分析」という点は「データサイエンス」のテーマにはつながるけど、CEATEC的にはどうなんだろう?
  • 健康が気になるお年頃としては興味深い話もいくつかあったが、ここでは割愛する。

コネクティッドカーが作る自己組織型自動運転技術

  慶應義塾大学 理工学部 教授 山中 直明 氏

【メモ&コメント】

  • 通信とデータ分析の両方を全力で活用しないといけない分野のひとつが自動運転なのは間違いないだろう。
  • 素人考えでもそれはすぐわかるのだが、「自動運転には実は2種類あってね」ということらしい:
    • 自動車の中にIntelligenceがあって自律走行する
    • Cyber(ネット接続した外)からの細かな指示で運行する
      • {→ この講演では後者を「connected car」と読んでいたが、トヨタが言ってるconnected carと同じなのかどうかは不明。}
  • でも、実際には両者ミックスが妥当な解決策だろうと。なんだ、やっぱりそうか。

学会のアクティビティと閉会挨拶

  広島市立大学大学院 情報科学研究科 教授 三村 和史 氏

【メモ&コメント】

  • 信学会へのお誘いだけでした。学会誌のサンプルをいただいたので良しとしよう。
  • ※=昔から、というか大昔は「信学会」と口頭では呼んでいたが、最近はこの呼び方は使われていないのかもしれない。Google先生によると信学会という学校法人が長野にあるようなのでその影響だろうか。
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コメント

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5600ページのIEEE 802.3-2018が入手可能になった

IEEE 802.3の名称は今では「IEEE Standard for Ethernet」になっている。 「イーサネットとIEEE 802.3は別物なんだよ」という話は,今では昔話でしかない。もうひとつ“いまはむかし”な話をすると,「イーサネットはCSMA/CDだよ」なんて言うと恥をかくのでやめた方がいい。こちらは名称の問題では無く中身の話だが,ここでは詳しい説明は割愛する。 この「イーサネット標準」の2015年以来の改訂版が,2018年8月に発行。6ヶ月のIEEE会員限定期間が過ぎたので,一般にも入手可能になった。ただし個人アカウントは取得する必要がある。この話は以前に書いた ( https://nmizos.blogspot.com/2017/12/ieee802.html 参照)。 https://ieeexplore.ieee.org/document/8457469 このネタをブログにしようと思った動機はタイトルに記してしまった。この規格は改定されるたびにドンドン太って巨大になってきている。本編改訂の間に発行されたamendment (補遺と訳すのがいいのかな)が取り込まれるので,太るのはしょうがない面もある。でもねぇ,ついに5600ページ。もちろん通し読みするようなものじゃない。PDFファイルなので「厚さ」は無いが,印刷したらどれくらいになるんだろう。 参考までに,過去10年の本編のボリュームを比較してみた。  2008 = 5分割,2977ページ  2012 = 6分割,3748ページ  2015 = 4017ページ,56Mバイト  2018 = 5600ページ,98Mバイト 以前は数セクションにファイルを分割して公開されていた。ファイルが大きすぎるのを気にしてたんだろう。2018版も中身は8セクションに分かれている(ページ番号も別に付いている)のを,PDFファイルとしては合体してある。100Mバイト程度のPDFが「デカ過ぎて開けない」ってことも無いだろうから,1本になっていた方が全文検索ができて都合がいい。ちなみにiPadで開いて全文検索しても,今の98Mバイトなら困らない。 参考までに,無線LANのIEEE 802.11の方は,802.11-2016が3534ページ。こちらも結構なもんだ。 --

IEEE802標準文書の入手

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RFCは番号を無駄遣いしていないか?

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