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インターネットドメイン名の闇 [日経NETWORK,2019年11月号から]

日経NETWORK,2019年11月号から。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nnw/18/NNW_backnumber/201911/

インターネットドメイン名にまつわるトラブルが頻発しているらしい。これは「Webサーバを乗っ取られて変なコンテンツをばら撒かれた」みたいな不正アクセスによる事件ではない。ほとんどが,ドメイン保有者の不注意によるものみたいだ。
Webサーバやメールサーバを用意するには技術力(技術者)が必要だけど,ドメイン名を取るのは技術の話じゃないからね。そのあたりも「不注意さ」に影響しているのかもしれない。

最近,特に話題になっているのが,使わなくなったドメイン名を手放した後に第三者が取得して利用する「ドロップキャッチ」と呼ばれる事象。「ドロップキャッチ」とカタカナで書くと,なんかズルいことをしているみたいな印象もある。けれど,これは本当は正規の手続きで取得することだから,不正行為じゃない。誰かを騙そうとしているなど不正目的で取得した場合は別だけど,不正目的を立証するのは簡単じゃないだろう。

ドメイン名を手放す時には,「後にその名称を誰かに使われることになっても大丈夫か?」と,一度考える必要がある。けれど,もう要らないって時は,そのドメイン名を使ったサービスは終わってたり消滅してたりするだろうし,誰が責任者かも怪しい状態になっている可能性が高いんじゃないかと思う。整理を押し付けられた誰かが「とにかく処分・整理」となっている気がするので,「一度考えてみるべき」なんて忠告は届かないだろう。

結局のところ,サービスを始めようとする際に,立ち上げようとしている人達が「ドメイン名を取得して将来に禍根を残さないか?」と考える必要があるのだろう。

InternetWeekで日本ネットワークイネイブラーの石田氏が「(ドメイン名の)ご利用は計画的に」という標語を毎年挙げているが,それに尽きる。
( ※2020年2月,下記URLで資料が公開になった。
 https://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/2019/proceedings/d3/ )

つい最近,ドメイン名関連で次の様な記事を見つけた。
https://www.gizmodo.jp/2020/02/for-1-7million-you-could-own-one-of-the-most-dangerous-domains.html
「世界一危ないドメイン「corp.com」が約2億円で売りに出される」
この話は「意図せずに転売されようとしている」のではなく,その逆で,「意図的に高値を付けて売ろうとしている」のだけれど,インターネットドメイン名の同じ闇にまつわる事案ではある。

闇は深い。

コメント

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