OSS業界数珠つなぎで頼まれて,2015年の夏から委員として関わってきた委員会が,ようやく終結しそう。
委員会でのメインの成果は「IoT時代におけるOSSの利用と法的リスクQ&A集(仮称)」として公開予定だが,その公開に先立って,想定事例に基づく解説セミナが開催された。
■セミナ概要
『 IoT時代におけるOSSの利用と法的諸問題及び留意点 ―想定事例による検討― 』
■観点
OSSを活用していく際のさまざまな法的諸問題を,事例に基づいて解説。
次のような観点を含んでいる。
・ライセンス違反
・ライセンス不整合
・特許との関連
・製造物責任の責任
・個人情報漏洩の責任
・準拠法と裁判管轄
・訴訟事例
・管理体制のあるべき姿
■想定事例①= 機器組込でのOSS採用
・OSSを改変したソフトウェアや,OSSとリンクしたソフトウェアのソースコード開示義務の問題
・物損事故が起こった場合の製造物責任の問題。開発委託先にも賠償請求できるか?
・国際的な著作権侵害裁判(どの国の法律でさばかれるべきか?)
■想定事例②= SI開発でのOSS採用・OSS混入問題
・特許侵害の問題。誰が責任を負うのか?
・OSSを改変したソフトウェアの開示義務。ライセンスによる違い。
・脆弱性による個人情報漏洩の賠償責任
■共通課題
・管理の改善 (再発防止に向けて): 日立製作所の例,富士通の例
・「非営利」の問題
・「ライセンスがわからない」場合
・過去の係争事例
■資料
上記の各問題点についての解説を,担当のパネリスト(ほとんどが弁護士さんたち)が,たいへんに熱心にまとめ上げた資料付き。残念ながらこの資料はセミナ参加者限り。でも,弁護士先生たちの良いPRになるから,もしかしたら後日に公開されるかもしれない“かも”(本当に何も決まっていないので勝手に書いているだけ)。
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