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2018年1月17日,LPWAを活用する為のIoTビジネスセミナー(SenseWay)に参加

http://senseway.net/seminar20180117.html

・会場は「Clipニホンバシ」( http://www.31ventures.jp/ventureoffice/clip-nihonabashi/ )。最近はやりのコワーキングスペース。
・司会は“IoT女子”サキさん( http://iot-jyoshi.com/iotgirl )。客層がスーツ属のおじさんが多くてやりにくかったんじゃあないかな。「みなさんこんにちは〜!」と声を掛けても返事をしてくれる客は少ない。そういえば,昨年のOSCにも来ていたな。名刺代わりのカードをもらった気がする。そのときは3人だった。

【プログラム】
*1.『センスウェイのLoRaWANを活用したサービス展開』
  センスウェイ株式会社 専務取締役  神保 雄三
*2.『LoRaWANの技術概要と海外での活用事例』
  東京大学 工学系研究科 IoTメディアラボラトリー スペシャリスト 渡辺 誠
*3.『LoRaWANセンサネットワーク構築の取り組み』
  株式会社グリーンハウス 商品戦略本部 堀尾 一生
*4.『LoRaWANの韓国での活用事例』
  株式会社ヒューマックスジャパン CTO 朴 勝運
*5.『IoTパネルディスカッション』
  コクヨ株式会社 久保田 隆幸
  合同会社ツグ 代表/コイニー株式会社 プロダクトストラテジスト 久下 玄
  東京大学 工学系研究科 IoTメディアラボラトリー スペシャリスト 渡辺 誠 (モデレータ)
*6.『パートナプログラムの紹介』
  センスウェイ株式会社 IoTビジネスプランナー 益子 純一

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【所見など】

・このセミナは東大 渡辺誠さんから紹介いただいた。以前,別の会社がオープンソースカンファレンスに出展された際に渡辺さんも参加されていてお会いした。

・LPWAは,IoT向けの長距離通信のカテゴリの主役。ただし,LPWAはカテゴリ名称なので,個別具体的にはいろいろある。先行したのがSigfox。LoRaWANはその後を追う形。さらにそれらの後を,LTE Cat M1やNB-IoTなどのキャリア系通信サービスが追っかけている。
・LoRaWANは,LoRa Allianceという団体が規格を策定して公開していて,どちらかというとオープンな印象がある。対するSigfoxは仏SIGFOX社もしくは提携先から製品を購入する必要がある。
・LPWAについての事情は,インターネットでも解説がたくさんみつかるし,平成29年度情報通信白書(総務省)でもセクションが設けられた。

・今回セミナーを開いたSenseWayは,LoRaWANのネットワークサービスの全国展開をこれから提供する企業。全国展開の意味は「全国にLoRaWANの基地局を設置していく」という意味。その他に,プライベート基地局の販売もするはず。LoRaWANは,アンライセンスバンドを使うので免許を受けた通信事業者でなくても基地局を設置できる(もちろん制約はあるが)。

・SenseWayはネットワークサービスの提供がメインで,いわば土管の提供まで。ビジネス展開は各社とのパートナシップ(アライアンス)で推進する作戦らしい。「国内最大のシステムインテグレータにもパートナになっていただける見込みです」とのこと。N○○○○タだろうか?
・KCCS(京セラコミュニケーションズ)が,京セラグループをバックにSigfoxのサービスのデバイスや土管からサービスまでを手がけようとしていたり,KDDIがソラコムを買収したりして,メガコンペティション…は言いすぎかな,体力勝負の様相を見せているLPWA。SenseWayもどこか大手が手を出してくる可能性が高いだろう。

●『センスウェイのLoRaWANを活用したサービス展開』, センスウェイ株式会社 専務取締役  神保 雄三
・LoRaWANのコントリビュートパートナとしては,日本で4社目。
・SenseWayの経営陣: 社長=元任天堂,専務(神保氏)=元NIFTY,他=コンパックの初代社長,など。

●『LoRaWANの技術概要と海外での活用事例』, 東京大学 工学系研究科 IoTメディアラボラトリー スペシャリスト 渡辺 誠
・今回の私の目玉セッション。
・“LoRaWANは〜〜〜で,LoRaとは〜〜〜〜”は,概略は元から知っていたのでメモはパス。
・システムアーキテクチャは,デバイス〜GW(ゲートウェイ)〜NWサーバ〜アプリサーバの4階層モデル。
・通信方式は,
  [デバイス]───[GW]───[NWサーバ]───[アプリサーバ]
    |←───LoRaWAN────→|←──MQTTなど──→|
  ※でも,LoRaWANはL2で,MQTTはL7で,レイヤが全然違うんだけど…
・アンライセンスバンドの920MHz帯(全37ch)は,前半と後半で制約が異なる。
 前半は制約が少ない代わりに混雑している。
 後半は連続送信ができないなど制約はあるが空いている。
 LoRaWANは後半を使う。

●『LoRaWANセンサネットワーク構築の取り組み』, 株式会社グリーンハウス 商品戦略本部 堀尾 一生
・(パス)

●『LoRaWANの韓国での活用事例』, 株式会社ヒューマックスジャパン CTO 朴 勝運
・LoRa GPS Tracker … デバイス=数千円 + サービス=数百円/月
・BluetoothLE+GPS+LPWAの3つを持ったデバイス … BLEで近接の他のセンサからデータを採って,GPSの位置情報を付けてLPWAで送る。→いろいろ応用できそう。
・工事現場用の振動検知センサ … 工事現場のトラブル予防。決めた日時以外に工事しちゃうとか,クレームになりそうな荒い工事をするとか。韓国では良く問題になるらしい。このセンサデバイス自体が重機で踏みつけても壊れないほどの耐久性。

●『IoTパネルディスカッション』
・おもろいパネリスト×2人 (←嫌いじゃない)
・(内容はパス)

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【以下は余計なメモ】

・IoTは,ML/DLを含むAIと並んで,バズり方が半端じゃないITキーワード。そもそも何がIoTなのかがはっきりしないところ,言い換えると何だってIoTだと言えちゃうところが最大のウリ。
・「IoT向け通信技術」だと,若干はフォーカスが絞れてくる。LPWAもそのひとつ。「LPWAはIoT向け通信技術だよね」は,まぁ,ダメだしされることは無いだろう。とはいえ,「Low Power, Wide Area」だと定義がはっきりしてないのは,IoTと似たようなもの。

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コメント

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